財団紹介

設立趣意書

岩谷直治記念財団 設立趣意書

 私は、常日頃より世の中に必要な事業を興し、事業を大きく育てることによって、社会のお役に立ちたいという理念を貫いてまいりました。また同時に、たとえ私財と言えども最終的には、社会からの預りものであり、私的な欲望のおもむくまま振るまうべきではないという強い信念を持ち続けております。

 たまたま本年3月古希を迎えましたのを機会に、今日まで岩谷産業ならびに私の志を育み、かつ支えていただいた社会に対して、その私財の一部をお返しいたしたいものと、財団法人岩谷直治記念財団の設立を意図した次第であります。これによって、私の永年の夢でありました次の趣旨を当財団に託し、いささかでも人類の幸福と福祉の増進に寄与できることを心から念願いたしております。

《当財団に託したい趣旨》

1.科学技術に関する研究開発であって国民福祉に貢献するものに対する助成、奨励を行うこと。

2.未来を背負う若人による科学技術に関する国際交流を推進するための援助を行うこと。

 けだし、今日までわが国は、科学技術の進歩によって驚異的な経済成長をとげてきたが、今日、国民生活の充実、向上が強く要請され、さらに他方、国際協調のもとに、わが国と広く国際社会との調和ある発展が望まれている。 このような状況にかんがみ、科学技術全般の一層の進展に寄与するとともに、将来の人類の発展の担い手である若人による科学技術に関する国際交流の推進の一助として役立つことを願うものである。

以上の趣旨によって本財団の活動がいささかでも人類の福祉に貢献できれば設立者の願いは果報とするところであります。

昭和48年11月12日

設立者 岩 谷 直 治